7月全国コアCPIは前年比+2.4%、目先ピーク付けたとの見方も
[東京 29日 ロイター] 総務省が29日に発表した7月の全国消費者物価指数(生鮮食品を除く総合、コアCPI、2005年=100.0)は前年比2.4%上昇の102.4となった。
ロイターがまとめた民間調査機関の予測中央値は前年比プラス2.3%で、発表された数字は予測を上回った。6月の前年比1.9%上昇から加速した。前年比伸び率としては、1997年10月(2.4%上昇)以来の高い伸びとなる。この時期は消費税率引き上げで物価が押し上げられた面があるが、それを除けば92年6月(2.5%上昇)以来の高い伸び。食料、光熱費、ガソリンなどが上昇率を押し上げた。
エコノミストの間では、エネルギー価格の上昇が8月も継続していることから、上昇率は高止まりするとみられている。ただ、9月以降はガソリン価格の前年比伸び率が鈍化するとの予想も多く、CPIの伸びは目先のピークを付けたとの見方も出ている。
<先行指標の東京都区部コアは上昇幅縮小>
全国の総合指数は前年比2.3%上昇した。食料(酒類を除く)およびエネルギーを除く総合指数は前年比0.2%上昇だった。
全国コアCPIの先行指標とみられている東京都区部コアCPI(生鮮食品を除く総合2005年=100.0)は前年比1.5%上昇の101.6となった。7月は前年比1.6%上昇だった。ロイターがまとめた民間調査機関の予測中央値は前年比プラス1.7%で、発表された数字は予測を下回った。
東京都区部の総合指数は前年比1.3%の上昇だった。食料(酒類を除く)およびエネルギーを除く総合指数は前年比0.2%の上昇だった。
<引き続きエネルギー・食料品が押し上げ寄与>
7月全国コアCPIの上昇については、石油製品などのエネルギー、生鮮食品を除く食料が引き続き寄与した。ガソリンなど石油製品の前年比上昇率は28.8%と6月の23.9%から加速した。
生鮮食品を除く食料の価格は、前年比3.8%と6月の3.5%から上昇幅が拡大。食料で上昇幅が拡大したのはチョコレート(27.6%上昇)、食パン(20.1%)などだった。一方、このところ上昇の目立っていたスパゲッティや即席めんは、6月よりも上昇幅が縮小した。
8月東京都区部コアCPIについても、エネルギーが押し上げに寄与したものの、伸び率は鈍化し、石油製品は前年比26.8%と7月(28.9%)に比べ上げ幅が縮小した。また、これまで上昇が加速していた食品でも穀類が6.3%となり、7月(6.4%)から伸びが鈍化した。
総務省によると、東京都区部のガソリン価格は引き続き過去最高水準にあるが、前年比の上昇率は鈍化した。ガソリン価格は前年後半から急速に上昇したことから、仮に今後ガソリン価格が横ばい圏内で推移した場合「上昇幅が縮小していくのは年後半から」(総務省)という。
<8月はプラス2.3─2.4%で高止まり>
発表を受けて金融市場からは「CPIの2%台はそれなりのインパクトがあるが、原油市場が下落基調にあり、CPIは7─9月をピークに鈍化方向にある。マーケットのテーマがインフレから欧米金融不安・景気後退に移行しているため、円債の反応が限られるのではないか。8月東京都区部CPIは市場予想を下回ったが、最終段階で消費が低迷し、原材料高を価格転嫁できなかった影響があるのではないか」(大和証券SMBC・チーフマーケットアナリストの野村真司氏)との見方が出ている。
8月分の全国コアCPIについてエコノミストからは、「前年比プラス2.4%」(三井住友アセットマネジメント・チーフエコノミストの宅森昭吉氏)、「プラス2.4%のまま、ないしプラス2.3%に鈍化」(みずほ証券チーフマーケットエコノミストの上野泰也氏)などの予想があり、2%台で高止まりするとみられている。今後を占う上で「ガソリン価格の8月に入ってからの値崩れが消費者物価にどう出るのか」(カリヨン証券チーフエコノミストの加藤進氏)が注目点だが、「CPIの伸びは目先のピークを付けた」(野村証券シニアストラテジストの冨永敦生氏)との見方が浮上している。
(ロイター日本語ニュース 武田 晃子)

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